2016年11月30日水曜日

12.11差別・排外主義に反対するシンポジウム

12.11差別・排外主義に反対するシンポジウム

--解消法・川崎・都知事選・山ゆり園事件―現状と課題を考える-- 








■日時 12月11日(日)14:00~ (13:30開場)
■会場 文京区民センター2A会議室(文京区本郷4丁目15-14)
■パネリスト 安田浩一さん 師岡康子さん
  『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワークの方や障害者団体の方
■資料代 500円 



在日外国人や社会的弱者を差別し排除し攻撃するヘイトピーチは、今年もまた各地で吹き荒れました。しかし一方で、地域や在日当事者、日本人市民の力でそれらを跳ね返し、共生の社会を作っていこうという輪も広がりを見せています。
市民のカウンター行動や相次ぐ司法判断で一時の勢いがなくなった「在特会」等ですが、7月の都知事選挙に前会長の桜井誠が立候補して「選挙運動」を隠れ蓑に凄まじいばかりのヘイトスピーチ、差別言辞をまき散らしました。その結果、114千票を獲得したことは、彼らを支持する基盤がなお存在していることを示しています。
安倍を筆頭に現閣僚の大半が、「日本会議」の有力議員であり、政府自らが差別政策(歴史修正主義に基づく日本軍「慰安婦」問題に関する日韓合意、朝鮮学校差別、沖縄差別、外国人実習生問題、社会保障制度改悪等)を推し進め、ヘイトスピーチ・ヘイトクライムが頻発する土壌を強化しています。
こうした中でも、反ヘイトの運動は確実に前進しています。
526日には、「ヘイトスピーチ解消法」が成立しました。多くの課題、問題点を抱えつつも、在日外国人への「差別的言動」を許さず、その解消を目指す法律が日本で初めて誕生しました。その成立に大きな役割を果たした川崎市の在日コリアン等の人々は、執拗な在特会の攻撃、妨害を地域住民、日本人市民との共同の力で跳ね返しました。大阪では、ネットで在特会のヘイト攻撃を受け裁判所に訴えた在日コリアンの女性ライターが勝訴しました。差別・排外主義勢力に対する社会的包囲網は着実に広がっています。
 一方、7月26日に神奈川県相模原市の知的障害者施設で、入所者46人(職員3人を含む)が殺傷されるという大量殺傷事件が起きました。容疑者は、「(障害者を抹殺することが)全人類のために必要不可欠」と公言して犯行に及びました。「優秀」な者にのみ存在価値を認める優生思想が実行に移されて、戦後最大のヘイトクライムが引き起こされたのです。大量殺傷にまで行き着いてしまったヘイトクライム、それを二度と起こさせないという決意を新たにするものです。そのために私達はどのような闘いをしたらいいのかが大きな課題になっています。
反ヘイト運動の先頭に立ってきた人々をお招きしてシンポジウムを開催し、共に今年の活動を振り返り、今後の展望を語り合っていきたいと思います。

2016年11月29日火曜日

響きあう反ヘイトの声~10・16新宿デモ

響きあう反ヘイトの声~1016新宿デモ10.16ACTIONの報告―

 「生きる権利に国境はない!」「私たちの仲間に手を出すな!」。この言葉を、単なるスローガンではなく、実際の社会のあり方として実現していかなければならないと考えさせる事態が続いています。今年4月に起きた熊本地震では、「朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ」なるデマがネットで流されたかと思えば、沖縄・高江のヘリパッド建設阻止行動の現場では、機動隊員が抗議する市民に対して「土人」「シナ人」と差別暴言を浴びせるという事件も起きています(1018)。執拗なヘイトデモ・ヘイト街宣も各地で続いています。そして7月26日、相模原市の「障害者」施設で「(障害者抹殺が)全人類のために必要」と公言する犯人によって46人が殺傷(うち19人死亡)されるという衝撃的な事件が起きました。ヘイトが、ついに大量殺傷ヘイトクライムにまで行き着いてしまったのです。
 そのような全体状況を撃つものとして、私たちは今年の新宿デモを企画しました。題して「生きる権利に国境はない!差別・排外主義を許すな!1016ACTION」。130人の参加を得て、新宿駅西口・南口から靖国通りそして職安通りを2時間で歩きました。毎年秋この地区を歩く定例デモになっていますが、2011年から始まって今年で6年目になります。昨年あたりから沿道の反応が目に見えて良くなってきていますが、今年はさらに好感度がアップしている感じです。
 区役所前に曲がったときに、私たちのビラを受け取ってくれた20代の女性が、デモの様子をスマホで撮影し始めました。そこから職安通りの途中までずっと歩道を歩いて並んでいているので、職安通りに出たところで声をかけると、留学生だということでした。彼女は笑顔で小さく手を振ってれます。また沿道のコンビニから出てきた若いカップルが、手をつなぎ私たちの朝鮮語のメッセージを何度も唱和してくれています。
職安通りでは、先導車から私たちの用意した朝鮮語のコールや参加者の在日の方の朝鮮語のメッセージに、沿道の両側から沢山の笑顔があふれました。朝鮮語のシュプレヒコールに、反対側の歩道で朝鮮語で唱和する方がいました。教会のバザーに参加していた人が僕らの隊列に手をふっています。お店の人が仕事の手を止め店先に出てきて笑顔で手を振っています。ビルの上の階から窓を開け手を振ってくれる方もいます。

「自分たちの主張を訴える」ということを越えて、デモンストレーションが持っている本来の機能~周りの人に訴えを理解してもらって仲間を増やす~の萌芽が見え始めていると感じます。
 デモで歩きながら朝鮮語のコールで街の人々に訴えるという上記の試みは、数年前から行なっていますし、デモの1週間前に地元商店街に事前の告知ビラを配布することは最初の年から継続しています。それらの取り組みが実を結び始めた感触があります。

 デモの開始にあたっては、6つの団体・個人の方から連帯アピールをいただきました。「『高校無償化』からの朝鮮学校排除に反対する連絡会」「『国連・人権勧告の実現を!』実行委員会」「全国『精神病』者集団会員」「辺野古リレー」「DA直接行動」「反天皇制運動連絡会」です。その皆さんからのアピールの内容は、政府自体が差別的な政策を推進していることで共通していました。
 「(在日コリアンの生徒を)日本の学校に入れているから差別はない」とする、あるいは「知的障害者」や「精神障害者」を「何も理解できない人間」と規定して「人権擁護」という衣のもとに権利を制限するなど、黒を白と言いくるめるようなウソの論理をもって差別政策が推し進められています。そしてさらに、PKOの「駆けつけ警護」で自衛官が海外で人を殺すということも予想されるというところまで事態は来てしまっています。そのような国が国連人権理事会の理事国に立候補しているというのは、まさしく政治的欺瞞以外の何物でもありません。
ヘイトがなくならないあるいは強まっている状況を変えるには、国家の政治のあり方を変える必要があることが浮き彫りになりました。アピールの中にあった「あらゆる人の命を守る」という言葉が、この日の行動に参加されたすべての人に共通する想いではないかと感じました。
 

2016年3月18日金曜日

4・23トーク&討論:草の根右翼は国境を越えて世界にはびこる!?


 ヨーロッパ、アメリカで排外主義の嵐が吹き荒れています。「テロ」と「難民」をめぐって、大統領候補や政党の党首らが、レイシスト的暴言を吐き、大衆が喝采するという草の根右翼運動が拡がっているあり様は、日本の政治状況とも無縁ではありません。
  改憲と戦争のできる国に邁進する安倍政権は、安倍本人はもとより、主要閣僚や自民党議員の多くが、排外主義右翼集団・日本会議のメンバーです。信じがたき暴言(本音)をほざく高市、丸川、麻生らは、いずれも日本会議であり、次期総理の座を狙う?稲田朋美はもともと極右の活動家であり、今や草の根右翼の支援抜きでは自民党は成り立たないとも言えるでしょう。
  私たちは、差別と排外主義に抗する社会的包囲網をつくるために様々な取り組み、連帯・共闘を続けてきました。今回の集会は、「テロとの戦争」の一方で進む難民排斥や治安管理の強化、差別・排外主義の草の根的拡がりを見据えながら、その分析と洞察、対抗運動の展望を探るものです。
  フランスの状況にも詳しい鵜飼哲さんには、「テロ」と「非常事態」によって何が変わったのか、私たちの側は、どのような国境を越えた連帯をつくりだせるのか。反靖国の取り組みをはじめ一貫して天皇制を問うてきた辻子実さんには、日本会議が政界から民間まで根付いた構図から何を読み取り、いかに対決していくのか、を語っていただく予定です。
  連絡会は、こうした催しを通じて出会いと討論・交流の場を模索してきました。この情勢に危機感を覚えながら、いかに行動するのかを考えている多くの皆さんの参加をお待ちしています。