2013年11月25日月曜日

差別・排外主義にNO!12.8討論集会

差別・排外主義にNO!12.8討論集会 2013年 新大久保・京都判決を振り返って━何が起こっているのか?何が問題なのか?日時】2013年12月8日(日)13時15分開場、13時30分開始【場所】南部労政会館 5・6集会室(JR大崎駅南口・ゲートシティ大崎・ウエストタワー2F)


差別・排外主義にNO!12.8討論集会

2013年 新大久保・京都判決を振り返って━何が起こっているのか?何が問題なのか?
【日時】2013年12月8日(日)13時15分開場、13時30分 開始
【場所】南部労政会館 5・6集会室(JR大崎駅南口・ゲートシティ大崎・ウエストタワー2F)

 この1年、大阪・鶴橋や東京・新大久保などの地域で、在特会(在日特権を許さない市民の会)を始めとする排外主義集団が、「朝鮮人を殺せ!」「日本から出ていけ」などという、聞くに堪えない激しい罵声、差別的言辞、ヘイトスピーチを吐きながらデモを行い、商売の邪魔をし、地域の人々に暴力をはたらいてきました。

デモの写真
これに対し、特に今年に入り、様々な人々が立ち上がり、警察の介入・弾圧も受けながらも対抗アクションや抗議行動が活発に取り組まれ、マスコミや国会でも取り上げられるなど大きな社会問題になりました。

 また10月7日には京都地裁が、4年前に在特会によって引き起こされた京都朝鮮学校への激しい街頭宣伝活動、ヘイトスピーチに対し、これが人種差別に当たると明確に指摘した判決を言い渡しました。そこで住んでいるがために簡単に怒りの声をあげられない住民とどのような連帯の行動をとっていったらいいのか。私たちが言葉にする「反差別」の内実が鋭く問われています。

私たちは4年前から、こうした差別・排外主義、レイシズムの動きを食い止め,彼らを生み出し容認している日本社会の土壌を克服していこうと活動してきました。集会では、私たち自身の取り組みだけでなく、多くの人々の勇気ある行動を振り返りながら、一体何が起こっているのか、なぜ生まれてきたのか、何が問題なのか、これから何が求められているのかを大いに議論し、これからの課題を語り合いたいと思います。ぜひとも多くの皆さんの参加を呼びかけます。

Program
第一部 報告
・新大久保カウンター行動について
  金展克さん
  (新大久保でカウンター行動 や署名活動等を展開)
・京都朝鮮第一初級学校襲撃事件裁判について
  金尚均さん(龍谷大教員)
・2000年以降の差別・排外主義の動向とその背景
  (差別・排外主義に反対する連絡会)
・2009年蕨事件以降の連絡会の取り組みと具体的問題
  (差別・排外主義に反対する連絡会)
・各報告を受けて:鵜飼哲さん(『インパクション』編集委員)

会場(クリック)
第二部 パネルディスカッション:
[排外主義勢力との対決と社会的包囲網/攻撃にさらされながら闘う人々との連帯の方法/排外主義廃絶のための法的規制などをめぐって]
パネリスト:
金展克さん/金尚均さん/鵜飼哲さん/連絡会メンバー

主催●差別・排外主義に反対する連絡会

2013年11月24日日曜日

9・23Actionでのアピール


「民族差別への抗議行動を知らせ隊」(メッセージ)

   生きる権利に国境はない。私達の社会を、排外主義・レイシズム・植民地主義の軛から解放し、人の住む社会へと変えていく行進を、多くの人と共に歩みましょう。

「差別撤廃東京大行進実行委員会」

   昨日の差別撤廃東京大行進、約3,000名の参加で、報道の方でも拾っていただけるということで、周知効果を狙ったデモとしては、ひとまず成功と言ってもいいのかなと思います。
 差別撤廃東京大行進は、新大久保のカウンターを中心に盛り上がってきたものです。日本社会には、他にもたくさんのいろいろな差別があります。我々はそんなに広く扱えているわけではないのですが、昨日の大行進とか、広いテーマにいろいろな人が興味を持って考えていってもらえるきっかけになってくれればと考えています。

「高校無償化からの朝鮮学校排除に反対する連絡会」

   安倍政権が真っ先にやったことは、朝鮮学校を無償化から排除するという差別的な政策でした。5月17日に国連の社会権規約委員会から日本政府に対して、朝鮮学校を無償化から除外するのは差別である、直ちに適用するべきであるという勧告をもらいました。オモニ会の代表5人と通訳が熱心に国連でロビー活動をやった成果だと思っています。
この勧告を持って、文科省に交渉に行きました。文科省は、国連の勧告には法的な義務はないという返事でした。国連勧告に従う義務なしと閣議決定していますが、これは国際社会ではとても受け入れられない大変な問題だと思っています。私達がいろいろ質問しても、訴訟の場で答えるのでここでは答えないということでした。
 7月末に韓国・ソウルで「平和のためのシンポジウム」が行なわれ、そこの日韓過去清算市民報告会に要請を受けて行ってきました。韓国の市民運動では、この問題は「過去清算の問題である」とはっきりと位置付けて運動してくれていることを、大変心強く思って帰ってきました。決議文もいただいてきました。この決議文と韓国から当事者をお招きして、10月4日に文科省前で要請行動を行ないます。
 「ワン・イシュー」でやっていると、日本政府や社会を動かすことができないということで、同じように人権規約に勧告されたいろいろな団体と連帯して日本政府や社会を変えていく動きを作りたいということで、運動を立ち上げました。「国連勧告の実現を」「すべての人に人権と尊厳を」ということで、学習会を始めます。朝鮮学校問題と日本軍慰安婦の問題と二本立てで行ないます。
 昨日の集会、2,000から3,000ということで、動く人達がいるんだということを希望にして、ここにいる皆さんに私達の運動もいつも守られてきたということに感謝しながら、頑張っていきたいと思っています。

「関西大弾圧救援会・東京の会」

   去年の大飯原発再稼働阻止闘争以降、関西で立て続けに大きな弾圧事件がありまして、その中で東京でも反対する運動を作っていこうということで、東京でもグループを立ち上げました。
 この2月に反原発運動で弾圧された韓基大さんが、関西慰安婦ネットワークの防衛で在特会とぶつかったという件で、獄中でさらに嫌疑をかけられるという局面も出てきまして、反弾圧運動と反レイシズムの運動が出あい、つながっていくという流れになっています。
 「私たちの友人に手を出すな」というスローガンが掲げられていますが、30年ほど前にフランスで反人種差別という運動が出てきた時に、「私の友だちに手を出すな」というスローガンだったんですね。当時フランスではレイシストの暴力が非常に激しくなって、年間約10名の北アフリカ系の移民出身の青年が殺されるという事態にまでなっていました。そのような事態に対して出てきたスローガンだった。
 現在われわれがよばれている状況はどうなのか。今年の始めから新大久保にとんでもないプラカードを持ってヘイトを行なう人々が登場してくる。数年前から在特会に対して対抗運動を形成してきたわけですけど、明らかに一線を越えたと社会的に認知される状況が出てきた。あそこで言われていることは実行されていないのか。フランスでは30年前本当の殺人事件が起きてた。日本ではレイシズムによって死んでいる人はいないのか。私はすでに相当数いると思います。原発の事故で何人死んでいるかをわれわれが知らないように、この社会ではすべて曖昧にされている。しかし、レイシズムが激しくなる中でさまざまな形で命を落としている人がいるし、私達の非常に重い歴史的な責任なんだということを確認しなければ、これからの運動は進めていけないだろうと思います。そのような緊張感を持って闘いを進めていきたいと思います。

「日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク」

   公園の前にいっぱいいる警察官、100人超えているんじゃないかと思います。慰安婦問題の大阪の水曜デモには、参加者より多い警察官が取り囲んでいる。彼らは、在特会が襲撃してきても私達を守ろうとしない、とんでもない連中なんです。そういうやつらが公園に来ていることが、絶対に許せない。大阪と東京は同じだなあと見ています。
 大阪は、日本維新の会の橋本徹が幅を利かせています。あいつは、安倍晋三が言えないことを代行して言っている。在特会も、ナチスのSSと同じ役割をはたしている。安倍政権の中で、社会的に難しい局面に来ています。だから、大阪ではともかく橋本徹と日本維新の会をつぶさないと、大阪はやっていけないんですよ。東京はまだ維新の会が弱いから、皆さん我慢できると思うんですけど、大阪では彼らの力は強いです。そこでどう頑張っていくか。
 橋本の慰安婦問題への攻撃がすさまじいんですね。言っちゃいけない、わけのわからないことを平気で言う。それを、取り消しもしないやつです。朝鮮学校への襲撃事件や、水曜デモへの襲撃とか、いろいろな面で在特会との直接的な対峙があります。体を張って頑張っているつもりです。若い人達も参加してくれて、非常にうれしいんです。武装しないと未来はないと思っています。

「ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク(のりこえねっと)」

   厳しい時代になってこんな日が来るのかという言葉は、在日の先輩から何回も聞きます。その中で、声をあげてくれて「おまえは独りじゃないよ」と言ってくれた皆さんに、深い感謝の思いをこめてお礼を申し上げます。
 日本で生まれて育って東京が故郷で、三代続いた江戸っ子です。 自分が朝鮮人で生まれたこと、韓国籍であること、それから女であること、全部私にとっては誇りです、一部です。それが一つでも否定されてしまうことは、私の否定になります。私は朝鮮人であることを、とてもうれしく生きてきました。
 「(朝鮮人を)殺せ」との言葉が出てくることに対して、言葉にならない思いがあります。また、韓国と日本が戦争になったらどちらにつきますかとか、尖閣列島をどう思いますかとか、質問を受けます。もし日本と朝鮮半島が戦争になったら、一番先に殺されるのは私です。日本にいても殺されるし、北朝鮮にいても殺されるし、韓国にいても殺されます。次に殺されるのは、私と会って話をしているあなたです。だから、憎悪を煽動する行為には徹底して反対なのです。
 私は愛国心はありません。民族心もありません。国家に絡めとられる生き方はしたくないと思っています。今回出てきた在特会等には、私と同じ出自の者やマイノリティがいます。(同化というレイシズムを強いられている)私達は右にも左にも行きます。だからこそ、加害者が出てほしくないと思います。
 東日本大震災の被災地に行きました。デマが出ました。朝鮮人・韓国人・中国人が、警察官・自衛隊員・消防隊員を殺しているとか、泥棒をしたとか、いろいろなものが出ました。混乱の中であるんだろうなと思いますが、日常の生活の中の手の取り合いの少なさによって、そのようにして恐怖が作られていくんだろうと思います。
 その前もありました。今から15年前、日系ブラジル人のエルクラノ君が殺されました。憎悪殺人は、すでにこの社会の中ではあったのです。さらにその前にあったのは、在日朝鮮人に対する関東大震災の時の殺戮です。この時は、朝鮮人も中国人も被差別部落の人も、国家にとってあやしいと思う人達も、みんな殺されていきました。そういうふうにコントロールされて生きていくということを、止めなければなりません。まわりの人達にいっしょに生きていこうと語りかけたいと思います。
 ヘイトスピーチをやっている人達と、不愉快でもいっしょにご飯を食べる関係を築いていきたいと思うんです。国際関係というのは、嫌いなやつと一緒に生きていくということです。
 エルクラノ君のお母さんが書いた手紙を読ませていただいて、皆さんへのエールと私もこれから頑張りますという思いをお伝えしたいと思います。 「(略) 息子は日本の少年グループがこれほど悪いことをするとは思い及ばないまま、理由もなく命を奪われました。(略)勉強を再開するためにブラジルに帰国したいが、日本はとても安全だし、とても好きな国なので、もう一度戻って来たいとその時話していました。(略)息子はナイフで刺され乱暴に叩きのめされ、内臓がズタズタで瀕死の状態でした。そして、最後の力をふりしぼって『なぜ自分がこんな目に遭うのかわからないけれど、親を悲しませるようなことだけはしていない』と言い残して、別れを告げました。息子の身の上に起こったことは、再度繰り返してはなりません。(略)世界中どこであっても暴力行為が存在するということ、ブラジル人だけではなくあらゆる国籍の子に知ってほしいと願っています。(略)みんなで暴力にNOと言う、子ども達が暴力も不正もない暮らしを送れる良い世の中を作っていきましょう。(略)来日された皆さんには、私達の最高の宝物である子ども達を大切にしてほしいと思います。世の中で起こっている事柄に対し、腕を組んで、遠目に見ているばかりでなく、多くの愛と勇気を持って良い世界を作っていくことで、みんなで一緒に考え団結するよう呼びかけたいと思います。(略)」
 加害者を出さない、被害者にもならない、加害者と被害者が出てしまったら、きちんとした第三者として再発防止をするよう、ちゃんとした大人になっていきたいと思います。

「反天皇制運動連絡会」

   今年の8月15日は、私達が集会をやっている会場のすぐ隣の部屋を在特会が借りるということもありました。たくさんの方の協力を得て、集会とデモを貫徹することができました。
 私達の行動も在特会や街宣右翼から排外主義的な攻撃を受ける関係にありますけど、私達は靖国周辺で生活しているわけでもなく、当日デモに行くというだけです。そういう意味では、そこで生活している人達が受ける排外主義の暴力や被害は比べものにならない。
 右翼の暴力の中身が何かということです。8.15に靖国周辺でデモしているのは朝鮮人だと、彼らは言います。どういうことかと言うと、8月15日というのは、かつてはたくさんの団体が集会やデモをやった。靖国問題に関しても批判的な意見・報道があった。日本社会の中で靖国とか天皇制は、分裂した問題であると思います。
 けれども彼らにとっては、そうではない。意見の相違は存在しない。天皇制・靖国の問題に関しては、日本人には意見の相違はないんだ、だからそこで異議を唱えている人間は朝鮮人であるという言い方をするんだと思います。天皇制はそのように作用している。
 9月28日に、東京国体の開会式が行なわれます。この開会式は天皇のイベントです。日の丸が上がって君が代を歌って、天皇に向かってみんなが行進して行く儀式があります。暴力的な天皇制の表れとはかなり違う、文化支配的なソフトな形でイベントを通じて行なわれている天皇制に対して反対していきます。

「日韓民衆連帯全国ネットワーク」

朝鮮半島における3.1独立運動の時、毎年3月1日に集会をやっているんですけど、2年前に、在特会が150人くらい押しかけてきて、罵声を浴びせて中に入ろうとするということがありました。実際に1~2人入って騒ごうとしたんですけど、挑発には断固として対応して集会を貫徹したということがあります。その次にも100名くらい来て妨害行動を行ないました。
 今年は、どういうわけだか来なかったのですが、それは連続的な断固とした闘いが、在特会のような集会破壊を防ぐ一つの力になったと思います。そしてまた、多くの皆さんが関心を持ち集会を防衛してくれるという、横に広がる連帯が差別・排外主義に対する闘いに大きな力を発揮するんだなあと改めて感じました。
 皆さんと共に、差別・排外主義に対して闘っていきたいと思います。共に頑張りましょ

2013年11月18日月曜日

関東大震災時の朝鮮人・中国人虐殺の現場をめぐるフィールドワーク(11月24日・日曜日)

Field Work



関東大震災時の朝鮮人・中国人虐殺の現場をめぐる
フィールドワーク(11月24日・日曜日)

「知らせ隊+藤田五郎(連絡会)企画」

逆井橋。1923年9月12日未明、
中国人活動家・王希天がここで軍によって殺害された。
今年は関東大震災から90年に当たります。当時、多くの朝鮮人、中国人が流言によって殺されました。私たちの住む東京がすでに最悪のヘイトクライム(差別犯罪)を経験していることを心に刻んでおくため、虐殺の現場に足を運び、犠牲者を追悼するフィールドワークを行ないます。

 この企画は、新大久保での在特会などへの抗議運動のなかでの「知らせる」行動とともに関東大震災の史実を伝えるブログ「9月、東京の路上で」を展開してきたグループ「民族差別への抗議行動・知らせ隊」と、山谷で長く支援活動を続け、東京東部圏での反差別運動にもかかわってきた藤田五郎(差別・排外主義に反対する連絡会)が、共同で呼びかけるものです(そのため、連絡会のブログをお借りして告知しています)。

 90年前の虐殺の現場と言っても、追悼碑を除けばそれを想起させるものが残っているわけではありません。それでも、自分で足を運び、そこに見える風景を目に映すとき、活字で読むのとは違う思いが心に浮かぶことでしょう。

 両国を始点に、6ヶ所の現場に足を運ぶ予定です。1日がかりですが、ぜひ参加していただければ幸いです。

◆実施日
11月24日(日)。午前10時から午後4時半。

◆集合場所
JR両国駅西口改札前に午前10時集合。
遅れる方は横網町公園(両国駅から徒歩10分)に直接お越しください。11時半までは公園にいます。

◆ルート
横網町公園にある「朝鮮人犠牲者追悼碑」で手を合わせた後、亀戸署跡や大島の中国人虐殺の現場を回り、最後に京成線八広駅近くの旧四ツ木橋の朝鮮人虐殺の現場と、「韓国・朝鮮人殉難者追悼之碑」を訪れて終了です。終了は午後4時半ごろを予定しています。その後、交流会も予定していますので、ご希望の方はご参加ください。

◆経費
電車やバスを多用します。交通費が約1000円ほどかかります。

◆注意
一度に20分以上歩くことはありませんが、それでも合計で1時間程度は歩くことになります。また、外にいる時間が多いので、暖かい服装を心がけていただければと思います。体調をお考えの上、参加をご判断ください。

◆追悼碑の掃除
横網町公園では慰霊碑を軽く掃除します。

◆追悼
追悼碑にそなえる花と線香は横網町公園でまとめて購入します。

◆昼食
時間がないので、横網町公園で早めの昼食をかんたんにすませることになります。おにぎりとお茶などをまとめて買って皆で食べることになると思います。しきものや、皆でつつけるものなど差し入れてくださるのはもちろん大歓迎です!

◆雨天
外での行動が多いので、雨天時は中止します。雨の予報が出た場合は、前日までにこの告知文に「中止」のお知らせをします。

以上です。何卒よろしくご参加ください。

呼びかけ
民族差別への抗議行動・知らせ隊 + 藤田五郎(差別・排外主義に反対する連絡会)

問合せ先
民族差別への抗議行動・知らせ隊
sirasetai5595■yahoo.co.jp
(■は @ に置き換えてください)

<参考>
関東大震災時の朝鮮人・中国人虐殺の現場を40本の文章で描写した知らせ隊のブログはこちら。
「9月、東京の路上で」
http://tokyo1923-2013.blogspot.jp/2013_09_01_archive.html

2013年10月19日土曜日

今問われているのは”本気度“です。

9月23日反差別・外国人との連帯行動に参加した皆さまに、敬意と感謝をします。これまで何回かの反差別デモとカウンター行動に参加しましたが、9月23日の行動には初参加です。
 私は品川に住む64歳の在日外国人(日本生まれ)です。日頃から在特会の行動には憤りを感じております。特別永住権、朝鮮学校無償化、生活保護の問題等々、どれ一つをとっても在特会の主張に正義はありません。在日を攻撃し、部落差別を煽ることは、日本社会の閉塞性を右から進めることであり、日本の戦後的価値法制は大きな打撃をこうむること必定です。ナチスのユダヤ人商店への襲撃から、15年後にはアウシュビッツが待っていたことは歴史の教訓であり、悲惨な第2次世界大戦へと行き着いたのです。関東大震災の朝鮮人虐殺も、日本のアジア侵略・差別排外主義の突破口であったことは歴史の教訓です。
 9月23日の行動に参加された皆さまに、再度心からの敬意と感謝の念を禁じえません。
 要するに、在特会のデモを”本気で止める“。今問われているのは”本気度“です。時代が戦前へと突入する情勢をいくつもの指標が示しています。こうした日本における支配の危機とその顕れである具体的な動きに一つ一つ反撃しないと、歴史の勝者にはなれません。重ねて、試されているのは”本気度“です。ありとあらゆる場所で支配層の攻撃に抗して立ち上がることですし、また、立ち上がるでしょう。
 過去の闘いに浸っていては、現在・未来に対して裏切り者になるんだということを、私自身の襟を正していかなければならないと思っています。私は反差別・連帯行動の皆さまの運動の中に、”主体的な運動“”自分でものを考える運動“であることを遅ればせながら実感しました。私もそのように運動し、老骨に鞭打ちながら、皆さまにご迷惑をかけることだけはしないようにと思っています。
 これからの運動、ともに頑張りましょう。
「品川から参加された在日の方」

2013年10月14日月曜日

Report/ 京都事件判決とこの三年間のあゆみ


 2009年4月、埼玉県蕨市在住のフィリピン人一家(娘のみが在留特別許可を得、二日後に両親は出国が決まっていた)をターゲットとしたデモが行われた。ネット上などで人種差別を公然と主張する極右市民グループとその支持者による100名を超える動員だった。
  このデモで勢いを得た極右市民グループは、以後集会や三鷹市の従軍慰安婦問題パネル展覧会、朝鮮大学文化祭への襲撃を繰り返した、12月には京都朝鮮第一初級学校を授業中に襲撃し、立て続けに老人ホームへの押しかけが試みられる状況に至った。2010年には関西で続けられていた日本軍性奴隷(いわゆる従軍慰安婦)問題解決を呼びかける水曜デモが妨害を受け、議員事務所の襲撃,徳島県教組事務所襲撃、生駒市市議会や中野区議会での騒擾行為,千葉県内の教会への礼拝妨害行為が続いた。2011年1月には水平社博物館前で差別街宣が行われた。
  外国人参政権反対や領土問題を掲げた排外デモは最盛期には1500名以上の参加者を集めた。京都事件と徳島事件で2010年八月に大量逮捕者を出して以降は2010年10月の東京秋葉原の領土問題を掲げ750名を動員したデモ(その後複数の電気店に押しかけ騒擾)を例外とすれば、数十名から200名程度の動員となっている。
  2012年6月新宿ニコンプラザでの元日本軍慰安婦の被害女性を取り上げた写真展、続いて開催されたギャラリーでの写真展、関東大震災虐殺被害者追悼集会等への執拗な妨害は依然続いている。
 また関東では蕨、池袋、上野、御徒町、川崎、新大久保、関西では鶴橋、ウトロ地区等、外国籍住民の集住地域にターゲットを絞ったデモ・街宣を軸とした執拗な嫌がらせもいまだ重ねられている。
 行動する保守を自称する彼らは、ネット上の断片的なデマ情報を都合良く組み合わせ「正義は我にあり」と、現場では文字に起こすのもはばかられる言葉を繰り返し、自らを差別の被害者であると繰り返し、その行動をネットにアップし、被害者を繰り返し傷つけ、更なる動員とメンバーの結束を呼びかけている。

 私たち連絡会の現場での活動は、彼らに対する情報の事前の整理と、攻撃対象となった集会や施設等に対する警備協力やデモ・街宣の監視などの『点』の取り組みが中心だた。地域=『面』については、数件の経験のみだった。
 最近の地域にターゲットを設定した行動に対して、率直に言って私たちは十分な力量がなかった。また対応如何では現地が聖地化してしまい、騒擾状況が固定化・エスカレートしかねないという懸念を今も抱いている。そのような考えから、地域と関係を作りながら慎重に監視行動を重ねる行動にとどまってしまった。

 しかし複数の人権ロビイング団体の尽力により国連人権理事会、人種差別撤廃委員会、社会権規約委員会から対日勧告が続いた。国内でも弁護士会が声明を出し、院内集会も緊急開催された。『しばき隊』『ブラカ隊』(この取り組みは現在C.A.RCとなっている)『知らせ隊』等のグループはもとより、極右排外市民団体の蛮行を食い止めようとする心あるたくさんの市民が新大久保の現場に足を運び「NO!」と声をあげ続けた。マスコミの活発な報道や、エリア規制を求める緊急署名の粘り強い活動などが重層的に重なりながら、六月末まで厳しい現場でたくさんの市民が対峙線を引く展開となった。私達連絡会も対峙の仲間に加わりながらビラ情宣などを行い、新大久保の闘いに連なった。

 様々な人々の真摯な努力の重なりが結果7月7日には予定された排外デモを中止に追いこんだ。9月8日に再開するなど予断を許さない状況ではあるが新大久保は平常を取り戻しつつある。

 極右市民グループの発するメッセージは「怨み」「いいがかり」「深刻な思いこみ」である。そして暴力が伴う。彼らの行為は当時者から言葉を奪い沈黙と絶望を強いる。この前提に立ち、私たち連絡会は攻撃対象とされる当事者と交流を重ね、話に耳を傾け、事情を理解することを大切にしてきた。これからも社会的包囲網の形成に向け丁寧な取り組みを重ねていかなくてはならない。

 大阪では七月一四日の「なかよくしようぜ!」反レイシズムパレードに600名を超える人々が集い。9月22日の反レイシズムバレードに「東京大行進」には3000人近くの人々。私達連絡会も参加し、アピールの声に連なった。翌二三日の私たち連絡会主催の第3回9・23ACTIONも200人の参加があり、東京・大阪からののべ3000人もの声が重なり響きあった。この三年間の様々な人々の試行錯誤と闘いの成果だ。
 私たちは辛叔玉さんの「のりこえネット」の呼びかけにも注目したい。「東京大行進」の実行委の金展克さん、「のりこえネット」の辛叔玉さんをはじめたくさんの方が九・二三ACTIONの出発前集会でメッセージを寄せて下さった。真摯な気持ちが重なり合う本当に濃密な時間だった。

 10月7日11時、京都朝鮮第一初級学校襲撃事件の判決があった。差別・排外主義に反対する連絡会も、これまで裁判傍聴に参加してきた。口頭弁論は気がつくと判決まで19回も重ねられた。この裁判の長く厳しい闘いに連絡会は身の丈に合わせた応援しかできなかった。当時の六年生は高校生になった(そして今度は政府により高校無償化から排除されている)。
 そんな私達を、最初から保護者の皆さん、先生と学校関係者の皆さん、弁護団の皆さん、裁判を支える「こるむ」の皆さん、そして関西のたくさんの仲間が、いつも温かく迎えてくれた。
 足を運ぶ度に、京都の皆さんは思い起こすだけでも辛いこの事件で「何が起き何が問われているのか」を粘り強く教えて下さった。いつも温かく包まれ励まされ、少しずつ育てられた日々は私達の宝物だ。
 
 これからも私達差別・排外主義に反対する連絡会は、試行錯誤を重ね自らの課題を意識し、研鑽を積んでいかなくてはならない。

Report by YZ

Report 京都朝鮮第一初級学校襲撃事件裁判、判決公判の傍聴報告




 2013年10月7日、京都地方裁判所において標記事件の判決公判があり、私たち差別・排外主義に反対する連絡会からは3人が傍聴のため京都入りしました。

(裁判に至る経緯)
 2009年12月4日、在特会メンバーなどが京都朝鮮第一初級学校に対して、隣接する公園を不法占拠しているなどの言いがかりをつけ、学校周辺で聞くに堪えないような差別発言を繰り返しながら街宣を行った(第1回目)。翌年の2010年1月14日には再び同様の街宣を行い(第2回目)、同年3月28日にも執拗に差別をあおる街宣を行った(第3回目)。
 2010年8月10日、威力業務妨害と器物損壊などの容疑で4人が逮捕される。2011年4月21日には4名に対し京都地裁は懲役1~2年、執行猶予4年の有罪判決を下した。
 一方、上記の刑事裁判とは別に前記学校を運営する京都朝鮮学園は在特会とその関係者8名に損害賠償と学校周辺での街宣差し止めを請求する民事訴訟を起こした。今回の判決はこの民事訴訟についてである。なお、この民事裁判は19回行われた。

(入廷前の状況)
 裁判の傍聴には何と179名もの人々が集まり、一般傍聴席は70人分しかありませんでしたので、100名以上の方が法廷外で待たされることになりました。幸い私は籤運に恵まれ、法廷に入ることができましたのでその報告をします。
 先にも述べましたように一般傍聴席は70名で満杯、記者席も1 6名分用意されていましたが同様に満席でした。なお、一般席の傍聴人はほとんどが原告側の支援者と思われました。一方、被告人は川東大了と八木康洋の2名しか出席していません(被告は在特会と8名の個人)。

(判決の概要)
 先ず結論から言えば、判決については原告側の主張を大幅に認めるものでした。ただ、原告側の主張の大きな柱であった「民族教育権」については全く触れられていませんでした。玉に大きな瑕が付いてしまった、の感があります。ともかく、以下にその概要を記します。
 被告人らによる3度の襲撃について判決は明確に被告側の違法性を認め、賠償額を明示しました。
・第1回目(2009年12月4日)については5,547,000円(千円未満については聞き取れなかった、以下同様)
・第2回目(2010年1月14日)は3,415,000円
・第3回目(2010年3月28日)は3,300,000円
そしてそれらには年利5分の割合の利子も付け加えられているので、総額は1,200万円を超える多額の賠償額が命じられたことになります。
 この判決の根拠になっているのが、人種差別撤廃条約でした。もちろん、この条約は肝心の第4条部分(「人種的優越又は憎悪に基づくあらゆる思想の流布」、「人種差別の扇動」等につき、処罰立法措置をとることを義務づけるもの)がこの国では留保されていているのですが、しかし判決は敢えてこの条約に依拠することで、被告人らの一連の言動を明らかな人種差別と認めたのでした。そしてその責任の重大さを多額の賠償金に置き変えたものでした。
つまり、判決は被告人らの言動が明らかな人種差別であると断罪したのです。この国では数少ない判決の一つではないでしょうか。
 また、この多額の賠償額に加えて、被告人らの学校周辺での街宣行動などについても制限が加えられました。

しかし、一方で原告側が繰り返し主張した民族教育の重要性とその権利については全く触れられていませんでした。人種差別の悪質性を厳しく断罪する一方で、それと表裏一体の関係にある「民族教育権」への言及は何もなかったのです。その意味では残念な判決と言わざるを得ません。

 もっとも、それに言及することは朝鮮学校を高校無償化から排除することの悪質さ、理不尽さを浮き彫りにしてしまいかねない恐れもあるので、あえて触れなかったということかも知れません。

 もう1つ判決の中で特筆したいのは、常に撮影に携わっていたブレノ(松本修一)の扱いについてです。自分は関係ないと主張し刑事裁判では有罪を免れた彼ですが、この民事裁判においては明らかな責任が認められたのです。他の者たちが示威活動をしている状況を映像に撮りそれを公開することについて、両者は密接に関係していると、認定されたのでした。当然と言えば、当然のことです。

 いずれにしろ、11時に始まった判決公判はあっという間に終わってしまいましたので、必死でメモしたのですが充分とは言えません。それに判決文そのものも見ていませんので、詳しい報告は出来ませんが、以上が判決の概要です。

(判決報告集会)
 判決の後は場所を近くのホテルに移し、12時から判決報告集会が行われました。この集会にも、平日の昼間であったにもかかわらず、約150名が集まり大盛況でした。また、マスコミ関係者もたくさん来ていました。それはこの裁判の判決がこの国の人権問題に大きくかかわってくるだろうことが予想されたからでしょう。実際、この日の京都新聞の夕刊には、この判決についての記事が一面のトップに書かれていました。トップとは言わないまでも他の多くの新聞にも取り上げられ、ヘイトスピーチに対する規制の是非が論じられたのです。
 話を判決報告集会に戻します。会場のスクリーンには9月22日に行われた「東京大行進」のビラや横断幕などが映し出されていました。と言うのも、京都朝鮮初級学校の児童たちが作成した作品がこのデモ行進にも登場していたからです。この横断幕には「ヘイトクライムのない社会を 民族教育権を保障しよう!」と書かれ、判決の直前にこどもたちのカラフルな手形が追加され、判決当日には京都地裁前に高らかに掲げられたのです。まさに未来を担う子どもたちの切なる思いがこの一枚の横断幕に凝縮されたものと言えます。
 それらをバックにこの集会が始められ、その第一声は差別・排外主義に反対する連絡会から発せられました。勿論、私たちがでしゃばった訳では全くありません。司会からの指名でした。因みに、連絡会は19回あった公判のうちの17回について、傍聴に参加しました。
 9月22日の東京大行進とそれに続く9.23Actionについて簡潔にまとめて報告、満場の拍手に迎えられました。続いてオモニ会の学習会が「醍醐」の新校舎で行われたことの報告があり、徳島県の教職員組合からは徳教組襲撃事件についての民事訴訟裁判が10月25日から行われること、10月28日からは第2次の刑事裁判が行われると報告がありました。引き続き、大阪からは朝鮮高校の無償化排除と補助金カット(橋下市長が原因)に対して裁判を起こしていると報告されました。最後に、醍醐に移転した新しい学校で、この校舎では初めての運動会が行われたと報告され、支援者からの発言が締めくくられました。
 次にこの集会のメインである、弁護士による判決公判の報告やこるむ(在特会による朝鮮学校襲撃事件裁判を支援する会)からの発言がありました。なお、この発言については全て省略させていただきます。というのは、ここで発言いただいた主な内容については、前述した判決の概要の中に反映させており、重複するからです。

(襲撃事件のあった当時の学校訪問)
 かくして、13時30分には判決報告集会も全て終了しましたが、私たち3人は昼食の時間も惜しんで、そのまま襲撃されたかつての京都朝鮮第一初級学校に向かいました。学校は既に解体作業が始まろうとしていましたが、足場が組まれているだけで、幸い当時のままに残されていました。また校舎の目の前にある、問題とされた公園には誰一人おらず、静寂というよりは侘しささえ感じられました。そこには、かつての嫌がらせ状況を脳裏に浮かべる私たち3人が佇むのみでした。

(判決への想い)
 子どもたちの心に深いキズを負わせ、その保護者にも絶望的なほどの悲しみとやるせない憤りをもたらしたこの襲撃事件は、多額の賠償金という形で締め括られました。しかし、その高額な賠償額の意味するものは何なのか、被告人らがその本質を理解したとは到底思えない。物事の本質を彼らが理解しえない、あるいは理解しようとしない土壌がこの国には蔓延しているからでしょうか。そのような根は確かにこの社会に今までもなかったわけではない、しかし戦後70年近く経った今、私たちの日常生活を脅かすほどに公然化したことに言い知れぬ恐怖を感じざるを得ないのは、果たして私だけでしょうか。
 この判決がただ単に「臭いものにふた」になってしまわないことを願いたい、逆にこの判決がそうした風潮を一掃しうる第一歩になって欲しいと心から望むものです。

2013年10月11日(金)
Report by KB

2013年10月5日土曜日

No Pasaran(やつらを通すな)! 交わり高揚する怒りそして闘いへの意志

No Pasaran(やつらを通すな)! 交わり高揚する怒りそして闘いへの意志

--「許すな!差別・排外主義 9.23ACTION」報告--




「差別・排外主義に反対する連絡会」(以下「連絡会」)は9月23日に、「街頭でのレイシストの憎悪に満ちたコールは言論ではなく暴力である。奴らを社会的に包囲する闘いをともに!」という趣旨で、東京・新宿で200人のデモ行進を行ないました。
 さまざまな分野で運動をしている人達が、それぞれのたくさんの仲間と共に参加してくれました。大人数だったのは山谷の日雇い労働者や渋谷の野宿者の人達。また、車椅子の方が遠く茨城から参加された方を含めて3人。白杖の視覚「障害」の方と合わせて「障害」のある人達が多く参加されました。大きなメッセージボードを身につけていたのは、婚外子裁判を闘われている方。地域闘争の旗や労働組合の旗もありました。レイシズムとの闘いは、民族排外主義領域だけの問題ではないという想いを多くの人が持っている表れです。
 今年の8月15日、反靖国運動の屋内集会に対して、在特会が隣の部屋を借りて妨害・嫌がらせをしようとしたという報告が、連帯の挨拶の中でありました。「日の丸」を掲げるレイシストにとっては、国家に異議申し立てをする運動はすべて攻撃対象であり、さまざまな領域で闘う人達にとってレイシズムを抑制することが共通の課題になっていることがわかります。
 毎年9.23に行なっている連絡会のこのデモは、今年で3年目です。昨年よりひときわ目立ったのが、赤と黒でデザインされたシンプルな何本もの旗。現場カウンター闘争や反レイシズムのいろいろな活動に参加されている個人の方が集まったグループです。前日の9.22、2,000人もの人がデモ行進をした「差別撤廃東京大行進」でもこの旗がたくさん翻っていましたが、その方達がこの日も多く参加してくれました。9.22と9.23は一体のものと多くの人が感じています。「差別撤廃東京大行進」には、連絡会も団体として賛同・参加し、そしてこの日は東京大行進の主催者に参加していただき連帯の挨拶をいただきました。闘いはCross Overし、そして拡大しています。
 今年は昨年までと決定的に違うことが一つあります。東京・新大久保へのレイシストの波状的な攻撃に対して、現場カウンター闘争や各方面の重層的な闘いが組まれ、それによってレイシストの行進を中止に追い込んだことです。反レイシズムの闘いが大きく前進する中で今年の9.23を多くの人と歩けたことは、私達にとっても大きな喜びです。
 また連絡会は、在日コリアンを始めとする在日外国人の人達と直接連携して共に課題を解決することをめざしています。その面からも、前日の東京大行進と同じく在日コリアンと共にデモを歩けたことも喜びです。バスの中からデモ行進を見た在日コリアンがわざわざバスを降りてデモに参加したり、交流会では韓国・朝鮮語の会話が飛び交うなど、昨年までは見られない光景でした。そしてそのうちの一人の方からは、「試されているのは(レイシストと闘う)本気度です」という、身の引き締まる檄をいただきました。
 なお、デモ出発前の集会では、大阪で反レイシズムの運動を闘う仲間を含む9団体・個人の方から連帯の挨拶をいただきました。

「差別・排外主義に反対する連絡会」(Photo by Mkimpo)

2013年9月2日月曜日

許すな差別・排外主義 9・23ACTION











■日本語






ハングル
中国語
 バングラ

その他


2013年8月9日金曜日

9・23 ACTION への参加・賛同呼びかけ

外国人差別にNO! 生きる権利に国境はない! 私たちの仲間に手を出すな!

      9・23 ACTION への参加・賛同呼びかけ


 外国人排斥を叫び、差別・排外を煽る、「在特会」をはじめとする集団の行動がエスカレートしています。特に新宿区大久保通りを中心に執拗に繰り返されたデモでは、「朝鮮人・韓国人を殺せ!」などと卑劣極まりない暴言を叫び、乱暴狼藉を繰り返しています。むきだしの憎悪が街頭を跳梁跋扈している状況が続いています。
 この事態に対して多くの人たちがカウンター行動に立ち上がり(6月30日には約千人)、多様な横断幕やプラカードなどで怒りと抗議の意思を示しました。差別・排外主義に反対する連絡会も、一連のカウンター行動に呼応しながらビラやリーフレットを、沿道の人々や商店に配布してきました。これまで私たちは、2011年の9月23日、2012年の9月23日の2回にわたって、「外国人差別にNO!」「生きる権利に国境はない!」を掲げ、新宿職安通りや大久保通りで、デモを行いました。その前後には、各国語でのビラの配布も試みました。何よりもこの地域で暮らす人、働く人、訪れる人たちに、レイシズムを許さないというメッセージを届け、街頭で声を上げることの必要性を痛感したからです。
 この問題は、さまざまなメディアで報じられ、国会でも取り上げられるようになりました。しかし、昨年末の衆院選と7月の参院選の勝利で改憲に突き進む安倍政権の、改憲や歴史認識、戦争責任への姿勢(さらには、麻生の「ナチス発言」も)は、明らかにレイシズムが育まれる土壌をつくりだし、かつ互いに連動していることを見逃してはなりません。
 こうしたなかで、私たちはこの9月23日に3回目のデモを準備しています。この勢力を社会的に包囲し、ヘイトスピーチデモを止めるためには、もっと多くの人々の英知と力が結集することが求められています。9・23ACTIONが、その契機になりステップになることを願っています。また、この行動はカウンターのための一日行動に止まらず、多文化共生と、生きる権利をめぐる闘いの国境を越えた連帯を目指します。
 この行動を実りあるものとするために、多くの皆さんの参加・賛同をお願いします。

○    9月23日(月曜) 13時30分集合 14時30分~デモ出発
○    会場:新宿・花園西公園 (新宿区新宿1の32 新宿御苑前駅か新宿3丁目駅下車)

                差別・排外主義に反対する連絡会
Email: hannhaigaisyugi@gmail.com
郵便振替口座:00200‐5‐38572 差別・排外主義に反対する連絡会
(ATMで振込の場合、口座名義人が「フォーラム S―16 」と表示されます)

以下をコピーいただいてメールで hannhaigaisyugi@gmail.com 宛てお送りいただいても結構です。
---------------------------------------------------------------------------------

        9・23ACTION に賛同します。

団体(1口 1000円)
○名称:


○口数:      口

 
個人(1口 500円 差支えなければ肩書きもお願いします
○お名前:                (     )


○口数:      口

公表   <可 不可>  (どちらかに○をつけてください)

公表については、ビラ(当日会場で配るのと、後日の報告ビラで掲載します。ネット上では出しません)
---------------------------------------------------------------------------------


2013年3月7日木曜日

ヒツジ100匹にヤギ1匹   「差別・排外主義にNO! 1・26講演集会  ~<バッシング>と差別・排外主義を考える~」報告


ヒツジ100匹にヤギ1匹
  「差別・排外主義にNO! 1・26講演集会
 ~<バッシング>と差別・排外主義を考える~」報告



 1月26日、東京・池袋の豊島区民センターでの開催です。メインの講演は、映画監督・作家の森達也さん。ある特定の集団に社会的なバッシングが集中する最近の状況について、なぜ多くの人々がバッシングに同調してしまうのかについて話していただきました。

 昨年12月の衆議院選挙は自民・公明の圧勝でした。事前のマスコミ報道で両党の優勢が伝えられたことで両党の勢いが削がれるのではないかという観測もありましたが、結果は事前予想の通り。昔は「判官びいき」で劣勢の方に票が流れる傾向があったが、今は逆に強い方にはなおさら票が集まる傾向が顕著です。そして、「勝ち馬に乗りたがる」この傾向が強くなったのは、1996年からだそうです。
 その前年1995年には、阪神淡路大震災と一連のオウム真理教事件がありました。森さんはこの年のできごと、特にオウム真理教事件が時代の転換点だったと指摘します。人々が「恐怖」と「不安」を強く意識する時代に入ったということです。
 森さんは、オウム真理教を追い続けてドキュメンタリー映画を作られてきました。事件当時からオウム真理教への集中的なバッシングが続いてきましたが、その過程をつぶさに観察してきた経験から、バッシングの基礎にある社会心理的状況を次のように分析します。
 一つは、バッシングの対象者の本当に姿を知ろうとすることなく「自分達とは違う存在」とみなしたがること。二つは、生活上の実際の被害は受けていないのに自分達が「被害者」だと思うようにすること(必然的にバッシングの対象者は「加害者」になります)。三つは、動機がわからないこと。この3点から人々は、①強者に頼りたがる②大人数でまとまりたがる③自分達の「シンボル」を求めるようになります。
森さんはこの傾向を「集団化」と表現しましたが、政治の世界でのこの傾向を示したのが、「国旗・国家法」に代表される1999年の小渕内閣だと指摘します。それ以後、朝鮮民主主義人民共和国さらにはそれに最近は中国・韓国も加えて、まるで今にもこの3つの国が日本に戦争を仕掛けてくるような、「仮想敵」扱いのような論調が政界・マスコミで強くなっています。しかし、軍事・政治面の実体的な危機は、米ソの核軍事大国がにらみ合う冷戦時代の方がはるかに大きかった。今は、実体とはかけ離れた、ある意味不要な緊張感が社会に漂っています。
それはこの「集団化」が社会で起きているからと森さんは分析します。集団化は、国家の内側では「異物排除」、外側に対しては「仮想敵の設定」をします。みんなが一つの方向に流されずに視点を変えることで、このような集団化の構造を変えようという森さんの呼びかけでした。

 集会は、バッシングの矢面に立つ生活保護問題と高校無償化からの朝鮮学校排除の問題の関係者から、その実情について報告を受けました。
 生活保護問題では、『生活保護とあたし』を書かれた和久井みちるさん。この間のバッシングによって、“生活保護(受給者)のようになったらダメ”という意識が皆の中に作られていて、もはや「身分差別」といってもいい状況になっていると、受給者が置かれた苦しい状態が語られました。
不正受給者だけではなく生活保護で普通に生活している人を取り上げてほしいとマスコミ関係者に言ったら、相手は「きちんとしている人を取り上げても仕方がない(ニュースにならない)」と答えた話からは、今のバッシングがマスコミによって作られた側面が大きいことがわかります。
 ただ、各種の社会保障制度の中でも生活保護制度は、若年齢層と高齢者あるいは「障害者」が横につながれる唯一の制度であり、その面で希望の持てる課題であるという指摘は、これからの運動に展望を感じさせるものでした。
 高校無償化からの朝鮮学校排除の問題で発言されたのは、「『高校無償化』からの朝鮮学校排除に反対する連絡会」の森本孝子さん。民主党政権下で「審査中」として棚上げされ続けたあげくに、自民党政権になって適用除外が決定されたこと。それは、安倍が首相になってからわずか4日目であり、国会審議が不要な文科省令改悪という形で強行されたことに、国の焦りにも似た強い悪意を感じ取ることができます。
 こちらのバッシングは、国家や政治家が主導する面が強いと感じますが、その理由が森本さんのお話からわかりました。なぜ在日朝鮮人が日本という国家から憎しみの対象になるのか?それは、在日朝鮮人が侵略戦争の「生き証人」だからというのが、森本さんの指摘です。そうであれば、私達もバッシングと闘うためにこの国の戦争の歴史と政策を問わなければいけないでしょう。
 当事者の反撃も始まっています。愛知・大阪では国を相手に訴訟を起こし東京でも訴訟の準備がされています。3月31日には東京で大きな集会が予定されています。

 最後に、バッシングが跋扈する今の社会のあり方を暗示するエピソード。森さんが放牧が盛んなモンゴルを訪れた時の話です。放牧されているヒツジ100匹の中に必ずヤギが1匹入っているそうです。なぜか?ヒツジは群れで動くが、自分からは何もしないしできない。だから、ヒツジ100匹だけではみんな餓死してしまう。そこで群れを引っ張る役割としてヤギを入れているそうです。1匹のヤギが動けば100匹のヒツジも動く。
 日本人は“ヒツジ度”が高くて、このままでは危ないという森さんのお話でした。差別・排外主義のヤギが大きな顔をするのは許してはならないということでしょう。また、みんなが自分でモノゴトを考えて動ける“ヤギ的人間”になろうということでもあるでしょうか。
この日の参加者は90人でした。

※発言では、オスプレイ配備に反対する首都圏ネットワークからの緊急アピールがありました。
v